自己流親子カルテ
《カルテNo1》
【氏名】友芽
【職業】専業主婦
【通院歴】メンタルクリニックに約2年
【症状①】あるきっかけでトラウマに襲われる。頭は真っ白になり、息苦しく、動けなくなる。しばらくしてお腹を壊す。
【診断】外傷性ストレス障害(PTSD)の疑い?
【治療】専門医による薬物療法と、安心できる環境作り。
【症状②】無気力、食欲減退、不安感、思考力減退
【診断】鬱病の疑い?
【治療】鬱病は、気の持ちようではないので、専門医による薬物療法が必要
【薬】安定剤、抗鬱剤を就寝前に1錠ずつ
《カルテNo2》
【氏名】タロウ
【職業】2才5ヵ月
【通院歴】まだ行ったことがない。
【症状】異常的に意思がはっきりしていて頑固。
物事全てに好きと嫌い、やりたいとやりたくないしかなく、普通とかどちらでもいいという中間がない。
いけないことを叱っても我を通して言うことを聞かない。
思い通りにならないとかんしゃくを起こす。ひどい時は床に寝そべって号泣する。
【診断】軽い自閉症の疑い?
【薬】なし。
自閉症は「治療する」という事を目的に考えるのではなく、専門機関のアドバイスを受け、その子に合った環境や生き方を考え、対応する。
※参考文献…『最高の主婦たち』9月号〔特集〕障害、心の病気を愛せますか?(書店の雑誌コ-ナ-の、小型で分厚い女性向けマンガ)
つらいけど、私のトラウマについて書いてみようと思う。
夜泣きが始まったばかりで一晩に3回号泣され、24時間体制の育児に疲れきっていた、タロウが9ヵ月の頃のこと。
突然滝のように吐き、その後もお腹の中がからっぽになるまで何回も吐いた。
ダンナは活躍してくれたが全く動じず私が一人ストレスを抱えてしまったこと、ダンナが感染してしまったこと、
私はストレスで食べられないのに離乳食の代わりは母乳しかないこと
…私は壊れた。
私はど~~~しても吐かれるということがダメ!!!
こんな私が子供を産むこと事態が間違いだったのかもしれない。
次の冬はもっと悲惨だった。
超ママママになっていたタロウは、もっと激しく吐く風邪をひいた。
タロウは苦しみ泣きわめきながら私にすがりつき、抱かれた胸で吐きまくった。
髪の毛からつま先まで濡れた。
タロウをかわいそうだと思ったのは初日だけで、数日後は「もう施設にでも入れちゃいたい」と母親失格発言をしてしまった。
逃げ出したい悪夢だった。
よりによって、タロウは車に酔うし、食べ物をよく喉につかえるし、私にとって試練の連続だ。
悩みは尽きないものです
育てにくいというだけあって、タロウのことは悩んでもきりがないが、どうしても割り切れないのは、車酔いと食べ物を喉につかえることだ。
どちらの事態も私はパニックを起こしてしまう。
だから、食事は細心の注意が必要で、おまけに、偏食も激しいから、工夫も必要だ。
車は近場でも切り返しやくねくねが多いと酔ってしまうから、遠出ができない。
そういう事態の直後にはケロリとしてしまうタロウだから、タロウの苦しみよりも、私の精神衛生上の問題が大きい。
これらが克服できる日が来たら、私はタロウとどんな風に暮らせるのかな(´∇`*)
静かにそんな日を待とう。
成長する親子
そういえば、かんしゃくタロウが扱いやすくなってきた気がする。
それは急成長中の『会話の上達度と理解度』に比例してるのかもしれない。
例えば…
①次の行動に移す前に予告して(言い聞かせて)おくと、高い確率で素直に行動してくれる。
②夢中になっていることから気を反らしたい時、タイミングを見計らってほかに夢中になれることで誘うと、高い確率で素直に誘いに乗ってくれる。
③危険なことをしようとしてる時、どのように危険かを真剣に説明すると、高い確率で納得して諦めてくれる。
…など。 こう書いてみると、「私も成長したな」と思う。
育てにくい子と虐待
虐待の記事を読んだ。
とくにある要因で虐待に発展しやすくなるらしい。
それは、親自身の虐待経験、夫婦や親子関係の問題、近隣住民との問題、そして
『子供自身の要因』
だ。
私は以前、確かにこれで虐待しかけていた。
『子供自身の要因』
とは、育てにくい子や病気や障害のある子のことで、
さらに『育てにくい』とは、
よく泣く、要求が強い、こだわる、なだめにくい、など。
タロウは生まれつきこの要素が全て揃っていた。
私は虐待しない代わりに、心の病になってしまった。
うまくやってるから虐待も心の病もない?
それはきっと育てにくい子ではないね。
わかってもらえなくても、わかる人になりたい
世間にはいろんな人がいるからうまく付き合って行かなければならない。
でも、私が癒しを求める場所には、同じく『育てにくい子のママ』や、いろんな子がいると『理解のあるママ』がいて欲しい。
1才6ヶ月健診のことは強烈過ぎて忘れない。
タロウは保健所に入ってからずっと泣いていた。
横たえて身長を測る時なんて、号泣しながら大暴れするので、数人に押さえ付けられた。
気が狂った人みたいだった。
もちろん、そんな子なんてほかにはいなかった。
私もつらさとなさけなさに泣きたくなった。
そんな私に小児科の女医が話してくれたことが印象的だった。
経験豊富で何でも知ってる風で、タロウを見て私の苦労を察知した上で、
「大丈夫だから諦めるな」
という眼差しだった。
その意味が今なら少しはわかる。
「この子は進んでいるのよ」 →自我の芽生えが早い。
「この子を受け入れてあげなさい」 →否定していても逆効果、進歩はない。
「子育ての苦労は皆同じ、あなたは今が頑張り時なのよ」 →苦労する時期は人それぞれ。
私はその時期が早く来た。
育てにくい子を理解できず私を否定するママが、もし将来、子育てにつまづいた時、
「ざまぁ見ろ!!」
と心の底で思ってしまわない人に、私は成長したい。