タロウ的150点写真
タロウが3才半になった次の日、何となく「七五三の写真、撮ってみよっかなー」と思った。
前日、タロウが写真館をキッズコーナーと間違え、中に入って遊んだことが、私の発想のきっかけとなった。
無気力だから、何事にもやる気はないが、欲望はある。
いや、これはタロウと同じ、自閉的な『こだわり』かも。
タロウの要求には、『応じる』または『次の要求に気を反らす』のどちらかだ。
これが『こだわり』の対処法。 無気力な私が、自分自身の『こだわり』に応じなくてはならない。
ま、七五三の記念撮影が不当な行為というわけでもでもないが。
タロウには着物とか袴の意味が分からないので、 「マツケンサンバの格好して、写真を撮ろうよ」 と誘った。
「嫌」だの「怖い」だの言っていたが、私の顔色を見て行くことを決心したらしい。
私は怒鳴ったりしないけど、私の含みある睨みつけは、結構効く。
写真館に入り、「運よく着れたら撮影して欲しい」と店員に伝え、衣装選びをした。
ここまですんなり行った。
おもちゃで遊びながら着付けていくが、着物の複雑さに私が青ざめた。
タロウには無理な気がした。
それでも店員は動じることなく、着付けを進めていく。
私は半ば放心状態だったが、タロウを褒めたり、お菓子をあげたり、私なりに精一杯だった。
タロウの様子を見て、足袋と草履は履かせなくてもいいから、とにかくすぐ撮影を始めてもらえるようお願いした。
撮影は店員たちのテクニックでわりと順調に進み、タロウの横で固まってることしかできない私は感心した。
座った写真と膝上写真の2パターンを撮り、撮影を終了した。
タロウは
「お腹が苦しいよ…」
と今にもぐずりそうだった。
脱がせてもらったら元気になった。
撮った写真を並べてもらって気づいたが、タロウは半年前の3才の撮影時と顔つきが変わった。
かわいさが抜け、男っぽくなった。
私はタロウの過去のことで苦しんでるけど、タロウはどんどん成長していて、もうあの頃のタロウじゃないんだよね。
そんなことに気づかなかった。
帰りはタロウをたくさん褒め、ご褒美を買ってあげた。
夜泣きもなく、タロウのつらい思い出にはなってないらしい。
将来、タロウに何かつらいことがあった時、非行に走りそうになった時、記念写真たちを見せてみようかな。
タロウの目にはどう映るかしら。
ママを守る
めちゃめちゃ驚いた!!
だって、トイレのドアを開けたら祖母が座ってて、ドアを開けられたことに驚いた祖母が
「うわぁ!」
と大きな声を出したから(≧σ≦)
私はノックアウト(×_×)
とっさにドアを閉め、
「びっくりしたよぉ!」
と興奮気味にタロウのいる部屋に逃げ去った。
タロウは
「僕がいるから大丈夫」
のようなことを言い(パニクってていまいち覚えていない)、
トイレと行き来できるドア2箇所をピシャンと締めた。
そして、
「もう大丈夫だよ」
と言い、私を安心させようとしていた。
まるで、私を守ってくれているようだった。
これからもママを守って欲しいなぁ☆
インフルエンザ予防接種
親子でインフルエンザ予防接種をした。
タロウは本当に本当によく頑張ってくれた。
頭を何度も撫でた。
昨日だったかな…タロウにさりげなく予防接種の話をした。
今日も病院へ行く直前に話した。
「病気にならないように、お医者さんでお薬をチクンとするよ。パパもママもじぃじもばぁばもにぃにもひぃばぁばも、みーんなやるんだよ」
「チクンやだよぉ」
と、タロウ。
予約の時間になり、付き添いの母と3人で歩いて行った。
タロウは病院の拒絶があるから、歩いて連れて行ったことがなかった。
どこまで理解してるか分からないが、歩いただけで驚いた。
私一人が小児科に入り、母とタロウは外で待っていた。
体温計を借り、タロウの体温をはかりに外へ出ると、
「くすぐったいよぅ」
と言いながらおとなしくしていてくれた。
これまた驚いた。
小児科での検温はいつも不可能で、中待ち合い室に入ってから2秒ではかれる特別な体温計ではかってもらっていた。
中待ち合い室に呼ばれ、タロウと手を繋いで入った。
泣かないで歩けるなんて素晴らしい。
椅子に腰掛けると、
「やっぱり怖いよぅ」
とタロウは怯えた。
「大丈夫。ママも一緒だから」
と包み込むように抱き締めた。
タロウは注射を打った時に顔をくしゃくしゃにした。
痛くて泣き顔になった。
続いて私も診察して打ってもらったので、先に診察室を出たタロウのことは後から母にきいた。
「ちょろっと涙が出て、ちょろっと鼻水が出た」
そうで、私が終わる頃には泣き止んでいた。
穏やかに帰宅した。
タロウの成長には驚かされることばかりだった。
タロウをもう少し信頼してみようと思う。
タロウが変わっていくなら、私も変われるかもしれない。
昨年のインフルエンザ予防接種のコラムを読んでみた。
私は同じところにいるのに、タロウの成長が明らかで、まるで別人のようだ。