母親を悪者にしないで
今回、あえて自分のことを棚に上げて述べる。
わかりきったことだが、いろんな親がいれば、子供だっていろいろだ。
老人に介護レベルがあるように、子供にも育てにくさのレベルがあると思う。
「子供はみんな同じよ」
そう言う人に限って、子育てにさほど苦労のない人だったりする。
確かに、多かれ少なかれみんな育児は大変だろうが、その差は大きいと思う。
差は一体どうやって埋めるのか。
母親が主に負担することになる。
だから、子育てにつまづいたらすべて母親が悪いと決めつけないで欲しい。
ハズレクジを引いたと思いたくないから。
子育ては親育て、世間よ今に見ていろ
母親を悪者にするなと言ったけど、悪くないと言ってるわけじゃない。
私は母親として足りないことだらけだし、子供と一緒に成長していこうと思っている。
育てにくいと感じるのは私の器が小さいからでもあるし、タイプが全然違うからでもある。
ただ言いたいのは、他人に私が悪者扱いされたくないし、とやかく言われたくないということ。
世間からの冷たい眼差しは、我が子への八つ当たりになる。
世の中に私より悪い人はたくさんいる。
悪い人でなくても、遊びほうけている人もいる。
少子化時代に子供を生み育てているのだから、逆にほめていただきたい。
人生最大の幸せは人生最大の苦しみ?
よく事件や事故のニュ-スで、心のケアのため精神科医を派遣したと聞く。
メンタルクリニックにお世話になってる私としては興味深い。
事件や事故とは比べものにならないかもしれないが、子育てにはショックなことがつきものだと思う。
少なくても私には。 私にとって育児は、例えると学校や会社での失敗やいじめよりもつらい。
子育ては『逃げられない』からだ。
逃げたくなるほどつらいことやショックなことだらけだ。
私は人並みに人生の試練に耐えて乗り越えてきたつもりでいたが、子育てに必要な部分はまだ未熟のようだ。
メンタルクリニックを利用しつつ、あせらず成長していきたい。
何も知らずに口出すな
1才半健診の時、タロウは特別な子だと実感した。
同じ位の生まれの子と大きな差を感じ、ショックだった。
保健所まで手をつないで歩いて来る子、おとなしく椅子に座ってる子、おもちゃで楽しそうに遊んでる子…
私の感覚で理想的な子ばかりが目についたのかもしれない。
が、明らかにタロウみたいな子はいなかった。
タロウは始めから最後まで泣き止むことはなかった。
私はずっと抱っこしていた。
しっかり歩けるし走れるのに。
タロウが2才になったばかりの頃、親子3組でランチし、駅ビルへ買い物へ行った。
タロウは、
レストランのお座敷に座りたくないと号泣、
レストランを出る時には売ってるおもちゃで遊びたいと号泣、
駅ビルへ行くバギ-の上でも号泣、
駅ビルの本屋では本1冊買うだけなのに5回位号泣した。
号泣するたびにのけ反り、あお向けで床に寝そべった。
その都度友達親子をひたすら待たせた。
疲れきった私は顔がひきつり、もう笑顔を作れない状態になっていた。
タロウだけが悪いんじゃない。
ほかの子供達がいい子過ぎたんだ。
それを見た私のプレッシャ-がタロウに通じてしまったんだ。
タロウの苦労話ならつきない。
思い返せば、夜泣きは生後9ヵ月から1才4ヵ月まであった。
最初は一晩3回の時もあり、一晩1回になり、数日おきになり、今では全くない。
夜泣きの泣き方はすごいの一言。
何しても泣きやまないような泣き方だ。
昼間はぐずりまくり、夜は夜泣き、私の育児は時間外労働ばかりで、心身共に休まらなかった。
私はタロウが健康なことに感謝している。
だけど、健康ではない子と比べ、タロウが健康だからとすべてのことをポジティブに受け止めることはできない。
なぜなら、私が健康ではなくなってしまったからだ。
私が何を言いたいかというと、タロウのことをよく知りもせず、私が今までどういう気持ちでタロウを育ててきたかを知りもせず、とにかく何も知りもせず、一般論を押し付けないで欲しいということ。
そんなのとっくに知ってるわ!!
一番の理解者であるはずの母が宗教の考えの人に洗脳され、
「子供のすべてのことは母親が原因だから、母親が変わらなければならない」
と言い出した。
タロウは私がどうであろうと大変だったじゃないか!
それに、私は今も昔も変わろうとしてるのに今さら変われとはなんじゃ!
すべて知ってるくせにそんなこと言うなんて…悲しいよ。
私の育児を見て「タロウくんがかわいそう」とママ友に言われたことが何度かある。
タロウの何を知ってるというの?
あなたならタロウを育てられるわけ?
これだけ苦しんでる私こそかわいそうじゃないの?
健康なだけで子供はみな同じ扱いなわけ?
子育てがうまくいってるかどうかは、子供の違いは抜きで、母親の能力差なの?
私は公園通いやトイレトレ-ニングなど、タロウの死ぬほど嫌がることをしばらくお休みし、のんびりやっていくことにした。
普通の子ならできると思っていた親子で楽しめることを諦めた。
タロウと共にマイペ-スでいこうと割り切ることにした。